All About Celica

 

インテリア

代にあたる初代セリカXXはセリカシリーズの上級車ということで、エクステリアと走行性能はもちろん、内装に関する装備も当時の最先端を追求したものだった。フルモデルチェンジと同時にセリカとの性格差をより大きくしたこの二代目XXは、よりスポーツ色を濃くし、当時のトヨタスポーツの旗艦を担ったとはいえ、先進的で快適な装備の充実にも力が注がれていた。

 

グジュアリー装備度はソアラにはかなわないものの、スポーティムードと機能とを加えたことを考えると、その内容は充分すぎるほどだ。「速く走るため」よりも、「望んだ時には快適」ともいえるコンセプトのおかげで、現在でも不便を感じる事は殆どない。特にドライバーズシートは、自分の体型に合わせられる8通りの調整機構を備え、この快適性とスポーティーの両立コンセプトは、海外のジャーナリストたちにも好評であった。また、全体的な操作性に関しても特に問題はないが、ステアリングの大きさだけは不満の声も多かった。

エレクトロニック・ディスプレイ

当時の先進技術を象徴するエレクトロニクス系装備の代表格。通称デジタルメーター。先鞭をつけたソアラの物をやや目新しくしており、車速・燃料・水温の蛍光管表示は全く同じものだが、ゾーン表示式タコメーターは、トルクカーブを思わせる配置になっている。

実際の使用感からいえば、各計器とも精度が高いとはいえず、特にガソリン残量は指針式に比べて特に注意を要する。また電圧や油圧の警告も、ランプが点灯するまでその兆候がつかめないと言う点では指針式に一歩劣るかもしれない。

83年8月のマイナーチェンジで、一部グレードのタコメーターはLEDの並びと個数に変更を受けている。

8Way調整式スポーツシート

F−1のシート理論まで用いてそのフィッティングの重要さをアピールし、世界初となる8種の調整機構を備えたスポーツシート。さすがに最新式には劣るものの、今なお十分に通用するホールド性と快適性が両立する。この当時から内外装の様々な新機構がうまれ、このシート以降はクッションのバネがS字ワイヤー式になった。

ちなみに8つの調整箇所は以下のとおり。1.前後スライド、2.リクライニング、3.座面バーチカル、4/5.ヘッドレスト前後/上下、6.サイ(ひざ)サポート、7.サイドサポート、8.ランバーサポート

一見、前後期のシートの縞模様は同じようにみえるが、実際はパターンが微妙に違っている。

エア・ランバーサポート

初採用となったランバーサポートは、腰部の疲労緩和を目的とした装備だ。ベース車のセリカでは4枚板の調節機構をレバーで操作するが、高級版であるXXにはさらにこれをエアポンプ式とし、3個のエアバッグに空気を送ることで無段階調整が可能になっている。

内部の各パーツはそれぞれ4つのバルブによって連結され、過充填防止、逆流防止、空量の確保、空気排出を受け持つ。

長く乗っていると、あらゆるゴム・樹脂パーツが劣化してくる。このランバーサポートも例外ではなく、ポンプとシートをつなぐパイプが破れて機能しなくなってしまう。旧いクルマだけに、むやみに操作を繰り返すのは控えたい。

Tスポーツカーでありながら、他社のそれに比べて日常的な使い方にも耐えうるのがXXの特徴。大きな差ではないにしても、広めのラゲッジスペースを持ち、リヤシート周辺の空間もある程度確保している点は評価に値するが、逆にスポーツモデルとしてみるとそこが弱点になっているとも言え、意見の分かれるところだろう。
ヘッドクリアランス以外は及第点といえる広さがある。 底は浅いが面積は余裕があり、可倒シートで更に広がる。

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